2021年01月03日
初夢
初夢R
夫:お母さん、おはようございますぅ。それから、おめでとうございますぅ。
妻:はい、おめでとうございます。今年もいい年になると良いですねえ。
夫:もちろん、いい年になりますよぉ。
妻:あ~ら、いいわねえ。
夫:だって、初夢が良かったんですからぁ。
妻:『初夢』って、まだ、今日は元旦よ。
元旦の晩に寝て、2日の朝までに見るのが『初夢』でしょうよ。
夫:だけど、言葉からすると、今年初めて見る夢が『初夢』でしょぉ。
昨日、紅白見て、そのあと年越しそばを食べてぇ、
今日になってから寝たんだからぁ、
さっき見た夢が今年初めての夢でぇ、文字どおり『初夢』でしょうよぉ。
妻:それはそうなんだけど、まあいいわ。で、どんな夢見たの?
夫:それが、ほら、この宝船の絵を枕の下に敷いて寝たからぁ、
この夢を見たんですよぉ。
妻:あ~ら、良かったじゃない。
正夢だったら、今年はお金持ちになれるかもよ。
夫:それが、そうでもないんですよぉ。
妻:どうしてよ。宝船でしょ。
夫:場面はたぶん宝島で、七福神も、出てきましたよぉ。
妻:決まりじゃない。お金持ちコースの正夢よ。
それで、どんな夢だったの?
夫:それが、まだほかにも登場人物がいるんですよぉ、お母さんと私ぃ。
妻:私が出てたのは良いけど、
「お父さんも」って言うところが、ちょと気になるわねえ。
夫:でも、私にとっては、とても幸せな夢でしたよぉ。
妻:そうなの?じゃあ、とりあえず、どんな内容だったか、早く話して。
夫:ですから、七福神が、宝船に金銀財宝をいっぱい積むんですよぉ。
妻:いいわねえ。
夫:積み終わると、七福神が乗り込んでぇ、
妻:ふんふん、七福神が乗り込んで。
夫:お母さんが乗ってぇ、
妻:私が乗って。
夫:最後に私が乗るんですよぉ。
妻:なるほど、そこで問題が起こるのね。
夫:何で分るんですかぁ?
妻:お父さんが登場人物にいると聞いた時から、嫌な予感がしてたのよ。
夫:問題は起こったんですけどぉ、私は、とても幸せでしたぁ。
妻:もったいぶらないで、早く続きを話しなさいよ。
お父さんが乗ったら、どうなったの?
夫:「ブ・ブー」って、ブザーが鳴ったんですよぉ。
重量オーバーの警告ブザーがぁ。
妻:お父さん、デブですからねえ。で、どうしたの?
夫:七福神が、私の方を睨みつけるからぁ、私は宝船から降りたんですぅ。
妻:そしたら、ブザーが鳴り止んだんでしょ?
夫:そうですよぉ。
妻:じゃあ、早く船を出しなさいよ。
夫:それが、そうはいかなかったんですよぉ。
妻:何でよ?「そうはいかなかった」って、どうしたのよ?
夫:私に続いてぇ、
妻:お父さんに続いて、
夫:お母さんも、宝船から降りて来たんですよぉ。
妻:ほら、嫌な予感が的中した。
どうして、私まで降りなければいけなかったのよ?
夫:ですから、お母さん、私のこと愛しててぇ、優しいからですよぉ。
妻:「優しい」のは、当たってるんだけど、もう一方はどうかしら。
で、どうなったの?
夫:七福神は、お母さんの方をぉ、
「本当にいいの?」って目で見てましたよぉ。
妻:当然よ。それから?
夫:でも、結局、私たちを島に残して、船出して行ったんですよぉ。
私は、お母さんが残ってくれたのでぇ、とても幸せな気分になってぇ、
そこで、目が覚めたんですよぉ。
七福神 金銀財宝 山と積み
船を漕ぎ出す 夫婦残して
妻:ねえ、お父さん。
それじゃあ、私たちはお金持ちにはなれないじゃない。
そうだ、お雑煮まだできてないから、その宝船の絵を枕の下に敷いて、
二度寝してくれない。お願い。で、さっきの夢の続きを見るのよ。
宝船はまだ遠くに行ってないはずだから、大声で呼び戻すの。
戻って来たら、私だけ乗るわ。
夫:ええっ? 私を残して、お母さんだけ行っちゃうんですかぁ?
妻:そうじゃないのよ。考えてみてよ。
お父さんの夢だと、二人とも島に取り残されるのよ。
夫:そうですけどぉ。
妻:宝船を呼び戻して、まず私が乗って行って、
港に着いたら、その宝を売って、
そのお金でクルーザーをチャーターしてお父さんを迎えに来るから。
そうすれば、二人とも助かるうえに、大金持ちよ。
夫:なるほどねぇ。
そうすれば、二人とも助かるうえにぃ、大金持ちですよねぇ。
よ~しぃ、それじゃあ、早速、ガンバってもう一度寝てきますぅ。
おやすみなさいぃ。
夫婦:あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして良い年になりますことをお祈りいたします。