2020年11月20日
扇風機
扇風機
妻:お父さん、扇風機しまって。
夫:やっと扇風機しまう気になったんですか、もう11月ですよぉ。
妻:あ~ら、お父さんの手間、省いてあげてるのよ。
扇風機しまったついでにヒーター出せばいいんだから。
夫:だって、まだ11月ですよ。
ヒーターは早いでしょ。
妻:ヒーター出さなけりゃ、どこに扇風機しまうのよ。
そんな場所無いでしょ、我が家には。
夫:確かにそうですけど、場所を作ろうと思えば作れますよ。
押し入れに入ってるお母さんの衣装ケース2つ、
処分すればいいんですよ。
妻:だめよ~、まだ着るかもしれないんだから。
夫:だって、最近着たとこ見たことないですよ。
妻:だから、最近着てないだけですよ。
だけど、また着るかもしれないでしょ。
夫:でも、最近フト、
妻:フト 何よ? フト何?
フト何だか、はっきり言いなさいよ、はっきり。
夫:いや・いや・いや・いや、最近、フト思うんですがぁ
体形変わってきてるから、もうムリじゃないですかぁ。
処分しなさいよぉ。
妻:でも高かったんだから、そう簡単には処分できないわよ。
もったいないじゃない。
夫:えっ、『しまむら』って、高い服も売ってるんですかぁ。
妻:実はねえ、あれ、お友達と買いに行った服だから、
なんか『しまむら』じゃなかったような気がするのよ。
夫:へ~ぇ、そうなんだ。
だけど、私の服買う時は、いつも『しまむら』ですよねえ。
妻:そうですよ。だけどお父さん、「安くて良いのがあった」って、
喜んでるじゃない。
夫:確かにそうですけど、なんかずるくないですかぁ。
妻:何言ってるのよ。
小さなこと気にしてたら、将来大物にはなれませんよ。
夫:将来ねぇ、いつの将来ですかねぇ?
もう私はアラ還ですよぉ。アラ還の将来って、何歳なんでしょうねぇ?
妻:明日死ぬわけじゃないんだから、将来はあるでしょうよお。
それから、もともと、私が高い服を着るのは、お父さんのためなのよ。
夫:なんでお母さんが高い服を着るのが私のためになるんですかぁ?
妻:だって、そうでしょうよ。
お父さんが『しまむら』着て、私が高くて良いお洋服を着て
いっしょに歩いてたら、
見た人はどう思うのか分かる。
夫:さあ、どう思うんでしょう。
妻:だから、
「まあ、あのご夫婦、ご主人は普通のお洋服なのに、
奥様に素敵なお洋服を着せてあげて、
きっと、優しいご主人なのねぇ。立派ねえ。」
って、思うでしょう。
夫:そんなもんですかねぇ。
妻:そうよ、そうに決まってるわ。
ところが逆によ、
お父さんが高い服着て私がみすぼらしい恰好しててごらんなさい。
今度は見た人はどう思うのかしら?
夫:さあ~。
妻:だから、こう思うわよ。
「まあ、あのご夫婦、
不細工なご主人は不釣り合いな高そうな服着てるけど、
全然似合ってないじゃない。
そのくせ奥様にはみすぼらしいお洋服着せて。
若くて美人の奥様がお気の毒だわ。
なんてひどいご主人かしら。」ってなるわけよ。
お父さん、そんな目で見られていいわけ?
夫:それはいやですけど、世間一般はそんな目で見てるんですかねえ。
なんか違うような気がするんですけど。
私は・・・。
妻:お父さん、お父さんの考えはいいのよ。
世間一般がお父さんと同じように考えてると思うのは、
自己本位、とか、自己中心的って言うんじゃない。
私はお父さん自身じゃないから、自己中にならず、
世間一般の目で見れるわけ。
ね、そうでしょ。
夫:確かにお母さんは私じゃないですけど。
だけど、なにがきっかけでこんな話してるんでしょうねぇ。
妻:そんなこと考えなくていいのよ。
とにかく、扇風機しまってヒーター出しといてくださいね。
夫:あっ、そうだったぁ。